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2013年12月14日

実写版『風魔の小次郎』DVD四巻

 最終巻です。三話収録で本編75分に対して特典映像94分!

風魔の小次郎 Vol.4 [DVD]
風魔の小次郎 Vol.4 [DVD]

其ノ十一 燃やせ 命の炎をの巻

 小次郎はデートの報告を絵里奈にしていないようです。こういうのはちゃんとしておかないと後でたたるよ。その後の人生のモテに影響します。絵里奈が武蔵にほしいと告げるのは10年の時間。小次郎との約束参照。
 
  部活路線はパティシエ部。初陣を成功させた麗羅についてくるのは兜丸……、ダメだ麗羅、その組み合わせで行っちゃダメなんだ……。夜叉、クリームブリュレ作りを妨害。というか誠士館のパティシエ部というのはどういうものなのか。パニックになる白鳳女子の前に現れたのは……、


パティシエ姿の麗羅



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…………



……


 あ、どうも。はい、大丈夫です。


 夜叉の小細工組は兜丸が軽くひねって一丁上がりと、ここまではコメディタッチ、だが。

 飛鳥武蔵。異様な気配を感じる風魔の面々。

 まずは兜丸、一太刀では討たれないのは不知火からも予想される。回転技を多用し、サイキックで姿を消す武蔵の本体を暴くところまでは持ち込むが、異変を感じて駆けつけた麗羅の前で力尽きる。そして麗羅に悲しむ暇もあたえず「次は貴様だ」とたたみかける武蔵。静かなバーサーカーとしか言いようがない。逃げて麗羅、そいつと闘っちゃダメ!
 しかし、怒りに燃える麗羅は武蔵に切りかかる。身が軽い!とんぼを切って着地し、剣を逆手に腰を低く構える、これ、本当に麗羅?炎を巻いて一つにまとめ、妖水の時よりも激しい炎を叩きつける。が、麗羅渾身の朱麗炎も武蔵には通じない。クリームブリュレの出来を気にしながら、小次郎を待って息絶える麗羅。「闘うのは自分が勝ちたいから?」

 項羽が死んだ時から、この物語で麗羅が死ぬことも避けられないことは分かっていました。しかし、小次郎にまた何ものかを託して麗羅は去ってゆきます。通過儀礼のためには何かを失わなければならない。


其ノ十二 決戦の巻

 風魔は武蔵を討たねばおさまらず、陽炎は武蔵の陰謀を騙り壬生を焚きつける。前回圧倒的強さを見せたとはいえ、武蔵に味方が少なすぎる。
 陽炎はさらに暗躍。白鳳に乗り込み姫子をさらい、さらに武蔵と風魔に偽の矢文を射こんで両者を衝突させる。罠とは承知で乗り込む決意を固める風魔に、ついに風林火山の扱いを自らのものにした小次郎、その前に死んでいった風魔の四人、麗羅、項羽、兜丸、琳彪があらわれる。竜魔が小次郎に呼びかける「ゆくぞ、風魔の小次郎」もう半人前ではなく一人前の風魔の戦士。

 原作よりも早く八将軍が壊滅しているため、武蔵のもとで戦うのは下忍のみなさん。まずは武蔵がなかばに終わった竜魔との再戦をもちかける。それは危険だ……。他の風魔は下忍と乱戦。お、劉鵬が木刀ふるっている。

 陽炎は姫子を夜叉姫のもとへ運ぶ。夜叉姫は面白い人だなぁ。基本的に物語開始からやられっぱなしなので大概カリカリしてるんだが、もっといろいろな姿を見てみたかった気もする。しかし、夜叉姫のもとに入り込んだ陽炎、今度は二人の姫をまとめて殺そうとする。ギリギリで助けに入る壬生。なんだかんだ言っても姉を裏切れない。かろうじて殺されずに済んだ夜叉姫、「みんな自分のことしか考えてないんだからそりゃ死ぬわ!」と大笑い。お互いを牽制させ合い微妙な均衡を保ってきた上に立っていたのは夜叉姫当人なのだが、そこに手を突っ込む陽炎のような人間が出てきた時にそれをはばむ紐帯はなかった。

 サイキック対決は、剣先に死鏡剣を乗せるという竜魔のトリッキーな戦い方。本体を消して後ろから切りかかる武蔵に、残像を残してこちらも消える竜馬。「手ごたえはあった」竜魔の額から血が流れる。ここは見事な原作準拠。しかしこのあとが不安だ……。と思ったらそれほどダメージは無くちゃっかり霧風にもたれかかる竜魔。雑魚は他の風魔が片づけている。

 姫子を奪われた蘭子が誠士館に突入、その前に立ちふさがるのはかつて八将軍を招集する赤星の矢を射た女、魔矢。原作では妙に目立っていたのにそれ以上の活躍がない人でしたがここで拾ってきた!蘭子も久しぶりに戦士としての活躍。

 陰謀を察知した壬生に追い回される陽炎は、武蔵を見つけて今度は武蔵にすり寄るがここで策謀が露見する。いや、ここの陽炎は実にいい顔だ。ついに黄金剣で貫かれて、霧氷剣で凍らされる陽炎。よく働いたよー、原作では顔のある不知火というか、顔はあるけど、だからと言ってなんだというモブキャラ級の雑魚将軍でしかなかったのだけれど、この実写版では実によく動いて夜叉の陣営にに動きをつけてくれた。功労賞。

 ここから夜叉に帰還した壬生と小次郎の対決が始まり、武蔵は……、他の風魔に死鏡剣。まず竜魔が武蔵を死鏡剣に封じ込める場面はスキップか。あれやると竜魔が反撃でズタズタにされるんだけど、武蔵の一段上の力の見せ場ではあるんだよねー。予算があったらやりたかったそうです。怖いけど見たかったな……。壬生との立会いの隙に風林火山の一閃で鏡を割って助け出すのは原作準拠。この鏡が割れるので風魔が全員死んでしまったらというのはみんな考えるよなぁ。

 風林火山の威力でそのまま武蔵を討とうとする小次郎に立ちふさがるのは、これまで動揺に動揺を重ねた壬生。小次郎との立会いの末、霧氷剣を破られ黄金剣を武蔵に託す。惜しい、この男は惜しい。武蔵とともに再び並んだシーンは、敵役であるにも関わらず、これがドラマのクライマックスだと言われても納得するというところ。この作品が『風魔の小次郎』であるがゆえに小次郎に敗れなければならなかったけれど。夜叉で動揺を重ねながら自分の場所を再び確認した壬生は、風魔における小次郎の成長に、裏側から対応するキャラクターだと言える。壬生が立て直すと言った夜叉は、実現したらこれまでのそれとは違ったものになっていたのだろうか。

 壬生を抱きながら「オレは集団での戦闘というものが分かっていなかった」と自分を責める武蔵。原作には当然ないシーンで、ここには一貫してただ一人で戦い生きてきた武蔵の変化の機縁もわずかに置かれている。壬生と陽炎が主に動かしてきた展開も整理され、残る対決の軸は小次郎と武蔵に。

 ED、項羽と小龍を演じた坂本直弥・坂本和弥兄弟によるユニットON/OFFの「永遠の刹那」、通常バージョンの使用は今回が最後。渡辺未来による楽曲で、この人については、ひふみかおりに提供した曲の印象が強い。乗せられる映像は、展開上本編ではありえない風魔のメンバー全員がそろって小桃を囲んでいる姿など何気ない風景。これも『柳生暗殺帖』が完結してから見ることがあったら、もっとグッとくるかもしれないなぁ。今からでも仕切り直してどうだろうか。小桃の靴かわいいね。
 さらにその週の名場面を挟みつつ、やはり本編にはない風魔全員が教室にいて、机に座った風魔に小次郎が教壇から話を振って、はしゃいでいる所に蘭子がドアを開けて突入、小次郎がビビッてマンガみたいにピョンピョン飛び跳ねるという謎映像。これ、どのタイミングで撮ってるのか特典映像見ても分からないんだけど、みんなすごく仲良くて楽しそうなのが見るだけで分かる。『風魔の小次郎』というのはこういう話ではいけなかったのだろうか、姫子が目を覚ますと夢落ちで、クラスメートは風魔に夜叉もいて、柔道部の良子やパティシエ部の子もいて、キレると怖い夜叉姫ちゃんともなんだかんだでたまには遊んだりするのだ。それではいけないんだろうか?
 いけなかった。物語は目的も持ってはじまり、目的に向かって終わらなければならない。どうしても彼らは失われなければならず、その意味はこのドラマ化においてより明確にされているのだ。座談会で「一人死んでから見るとエンディングは悲しい」と言われたとおり、ここに映っているキャラクターの何人かはもう戻ってこず、彼らの笑顔がより痛みを突きつける。非常に優れたエンディングだと思います。そしてこの物語はあと一回で終わります。


其ノ十三 あばよ! 風の中への巻

 最終回用のOPです。これまでEDに使われてきた「永遠の刹那」をOPにスイッチし、第一話からの場面を。
 もはやお互いを殺すしかないというところまで行き着いた小次郎と武蔵。社会とは折り合えず殺人剣を振るうことでのみ生きてきた武蔵。妹の命のためなら魂も悪魔に売ると。小次郎と武蔵の殺陣は、原作を生かしたCGで。武蔵の回想に、陽炎が「人を殺す手段がエスカレートしていく過程」を語る場面が挟まれる。その前に現れたのは病院にいるはずの絵里奈。ここで絵里奈と小次郎をからめておくオリジナルの展開の意味が炸裂します。

 はじめて絵里奈を介して聞いていたお互いの関係を理解する二人。「絵里奈の大好きなお兄ちゃん、武蔵」、「絵里奈の大切な友達、小次郎」。殺しあわねば已まぬ二人。三人で仲良く話したり、お茶飲んだりしたかったと語る絵里奈。ありえなかった、ありえたかもしれなかった『風魔の小次郎』。そして主人公小次郎のライバルとしてぶれること無く戦い続けていた武蔵(だからその分壬生が動揺しなければいけなかった)が、絵里奈を失うことで意味を喪失します。もっとも強かったものが弱くなる瞬間。
 精神的に崩壊したまま、惰性で戦いを無理やり戦闘を継続しようとする武蔵。それ以外の生き方を知らないから。そのような状態で勝てるわけもない、風魔烈風の一閃。とどめを刺すことを要求する武蔵に風林火山を振るう小次郎。だが、小次郎が切ったものは。絵里奈の「風」についての最後のメッセージと重なるものを。

 数か月後、姫子のシーンから、風魔との別れの回想シーンへ。原作ではこの辺りの人間関係の機微が吹き飛んでまったく扱われていませんでしたが(そもそも機微がなかったとも言えますが)、ドラマではしっかり回収します。小次郎と姫子、竜魔と蘭子。蘭子、いい女だ。そして、未熟な部分も多かった小次郎だけれども、その小次郎だからこそ何かを変えてくれるのではないかという竜魔の言葉が、小次郎が主人公である意味を告げています。

 OPナレーションを小次郎が語り直し、それに乗って走っていく生き残りの風魔たち。竜馬、霧風、小龍、劉鵬、そして小次郎。オリジナルのナレーションに小次郎が付け加えた一言が絵里奈の言葉と重なり、それはおそらく竜魔が期待したものでもある。すべての要素が語られ、回収されて、再び名場面をかぶせながらOPだったアンティック-珈琲店-の「流星ロケット」が。湿らせずに疾走感を持ってエンディングへ。「風」の旗を立てる小次郎を囲む風魔の戦士たち、アディオス!最後まで見事な展開でした、この作品に関わったすべての人へありがとう!

映像特典
○撮影裏映像
・霧風と陽炎の殺陣で、陽炎の蹴りが霧風に入ってしまう。血を拭いてやる陽炎。一時離脱する霧風。タイミングは分からないのだけれど、霧風に別働のシーンが多いのは、これも影響していたのだろうか。復帰後の二人の表情がいいなぁ。
・麗羅の最後を看取るシーンで感極まる小次郎。
・ロケが終わりホテルで休憩中の霧風を訪ねる小次郎。本当に脱いでる(笑)
・最後まで残ってきたメンバーも次々とオールアップ。小次郎が夜叉面を割るシーンで本当に最後。すでに終わっていたキャストが次々と駆け寄る。

○座談会
・自己紹介順から壬生攻介役:藤田玲、陽炎役:田代功児、飛鳥武蔵役:川久保拓司、そして小次郎役:村井良大と夜叉に寄ったメンバー。
・武蔵「陽炎は回を重ねるごとに要素が増えていって、演技的に大変だったんじゃないか」、壬生「真の悪役だったんじゃないか」
・策が破れた陽炎錯乱のシーン、脇で見ていた武蔵、壬生が「ぜんぜんイケメンじゃねえ」とイケメンドラマという一つの売りをくつがえすような陽炎の怪演に声を合わせるのだけれど、後半に大きく物語を動かした田代功児くんの熱演が讃えられるべきだろうなー。
・ラストでの絵里奈の登場。壬生、「アクションの中で初めて武蔵が人間として戦うっていう」武蔵「(絵里奈に)見られたくない部分だから」「オレは武蔵は戦いが嫌いだと思っているから」
・武蔵、「(陽炎は)誰に対して一番愛があったのか」陽炎「壬生」「騙しやすいから」
・壬生、絵里奈に会いに行ったとき「自分のお姉ちゃん(夜叉姫)のことも考えてたんだろうな」
・壬生「『風魔の小次郎』のなかにストーリーが同時進行して、一個一個が成立して気持ちよく消化できた」
・さみしがりやの壬生、朝起きるととりあえず小次郎、兜丸、陽炎、劉鵬に電話する。
・夜叉の控室、武蔵と壬生が喋っていて、他のメンツはマイペースで台本読んでる。陽炎「ドラマの設定のまま」
・風魔は、壬生「みんな仲良かったよね」
・陽炎「同世代が一九人いて、お祭りみたいな三か月」
・今回登場しているのは終盤まで生き残り、性格的にも原作から掘り下げられたキャラクターのキャストであり、個々の役者による作品理解が適格で、シナリオ面で掘り下げられたそれぞれの役に真剣に向き合って、演じられたことがわかる。よい座談会。

○兜丸劇場
・ハンガー使った一発芸。「198(イチキュッパ)!」
・「すごく怖い麗羅」舌打ち。兜丸「人間凶器!」
・兜丸「goodbye,see you again!」
・というわけで、原作ファンの誰もがタイトルを見たときに意味を受け取りかねた「兜丸劇場」もおしまい。このタイトルだけでDVD欲しくなった人もいるんじゃないかと思う。
・風魔はみんな仲がよかったとは先ほどの座談会でも聞かれたけれど、兜丸役の八代真吾が本人の生来からのパーソナリティもあろうけれど、しっかり現場でまとめたり調整できたりする人だったことがこの映像から読み取れて、兜丸という本編ではあまり人物が語られなかったキャラクターが重要な役回りだったことが分かる。すごい映像残してくれたなー。

○クランクアップメモリアル映像集
・オーディションでの自己紹介から、キャストを変えての演技など。陽炎や紫炎の項羽とか、武蔵の壬生など、すでに固まったキャスティング見ていると不思議な感じ。
・小次郎役の村井良大くんについては、最初に見たときは「この子が小次郎をやるのか」というニュートラルな感想だったのだけれども、回を重ねるごとに小次郎になってきて、終盤では彼以外の小次郎というのはちょっと考えられない形になってしまった。
・全キャストの紹介で「永遠の刹那」。すでに芸能活動からは退いた人もいるようだけれど、みんな幸せになってくれるといいなと思う。


永遠の刹那
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posted by すける at 03:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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