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2016年06月16日

『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ

 キノベス一位にTwitter文学賞獲得した短編集、どちらかというとわたしの読書範囲のメインストリームではなくアンテナには届いてこないタイプの小説だけど面白かった。

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)
いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

 ミランダ・ジュライの幼少期は、岸本佐知子氏の訳者あとがきによると、ニューエイジ系の出版社を営む両親の周囲に「かなり境界例っぽい大人たち」の出入りする環境だったというが、作品にもそうした雰囲気は影響しており、そうした社会人にはなりきれない人物たちが、それでもなにかしら社会の周縁部のそれなりに組織化されたグループに関わりながら人生を送っている姿を見られることは非常に楽しかった。
 一般的な人生のルートからは外れているが、しかしだからといって極端に劇的な人生を送るというわけでもなく、案外凡庸な悩みを解消できぬまま人とつながってみたり、やがて急激にあるいは緩やかにそうしたつながりもほどかれていくことを確認していくことになる。
「あなたは? かけ直したい?/もしきみがそうしてほしいのなら/でももし私がそうしてほしくないなら、電話しなくてもかまわないということ?」というあたりの会話のどうしようもなさの普遍性には頭を抱えたくなる人も多いだろう。

 個人的には「その人」「十の本当のこと」「水泳チーム」を推したい。
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posted by すける at 02:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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