2017年02月12日

ちばぎんカップ 柏レイソル2−0ジェフユナイテッド千葉(2017年2月11日 日立柏サッカー場)

 ずいぶんひさしぶりの現地観戦ということで、会場入りするまでにオタオタしつつもなんとかキックオフに間に合いましたが、それにしてもほんと久しぶりの日立台。しかしアウェーに来ると本当にフクアリって恵まれた環境のスタジアムだなと思いますね。

 プレシーズンということで勝敗そのもので一喜一憂するものではないのですが、一方では、あの形でやって個人の能力差があればああいう形になるだろうという予想の範囲内で、負けて困惑する人はいないだろうという中身。出だしの攻勢を受け止められたあとにはWBの後ろとワンボランチの脇のスペースを気持ちよく使われるという展開で、基本になるフォーメーションが抱える問題をシーズンに入る前に柏にあらかじめ指摘してもらったという感じです。こういうのって相手チームの側から聞くべきことが多くて、レイソルのクリスティアーノの「最終ラインの統制が取られた、オーガナイズされた組織的な素晴らしい守備だと思う」というリップサービスのあとの「我々の前の4人に対してあのオーガナイズの仕方では裏を取られても仕方がない」というのが現状での正解でしょう(柏フットボールジャーナル)。

 J2相手ならあそこまでやられないだろうという考え方もありますが、それではあまりに狙いが低すぎる。3バックではWBが攻守にどれだけ献身できるかも問われますが、北爪には奮起してもらいたいところです。サイドチェンジの精度、カウンターの切り替え等課題はいくらでもある状態を見せてもらって、これがリーグ始まったときにどれだけ改善できているかという、そういう興味の枠内での試合、という感じでした。
第22回ちばぎんカップ試合結果(ジェフ公式)


 とりあえずこの日の収穫。
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 そして、このレプリカを引っ張り出すことになる日が来るとはということですよ。今日はベンチ外でしたが、公式戦で見れる日があるでしょうか。
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2015年02月26日

『もう一回蹴りたかった』望月重良

 もしもいまオシム本を出すとするなら、話を聞いておきたい人がいる。それは巷間「オシムチルドレン」や「オシムサッカーの申し子」などと表現されるような選手ではなく、オシムのもとで、冷遇されたように見える選手たちだ。彼らとの関わりを見ることで、重用された選手との関係だけからは見えない「オシム」が見えてくる、のではないか。

 最初に指名するのは望月重良(忘れないうちに書いておくと、次はチェ・ヨンスだ)。

 望月は、毀誉褒貶の多い人だった。大岩、平野と共に名古屋を解雇になった時の影響が今も残っているのだろう。この時の経緯については、外側からは全く分からないが、「ワガママな選手」「トラブルメイカー」というイメージも持つ人もいたようだ。そんな印象も影響してか、ジェフ在籍当時、ジェフサポのブログや掲示板を見ても、練習中の望月に対して「手を抜いてる」「ふてくされてる」と言った書き込みもたまにあったと思う。

 才能はあるけれど、いわゆる「オシムの走るサッカー」(単純化し過ぎですが)とは反りの合わない選手。そんなイメージが先行してしまったのかもしれない。

 しかし望月は、その時には既にサッカー選手の宿痾とも言える股関節の痛みに悩まされていたのであり、走ろうにも、走りたいのに走れないというところがあったようだ。彼自身が走るサッカーの中で、自分が走らされるということに不満を抱えていたわけではないということ。オシムに試合で使ってもらえなかったことにさえ、ただ悪くは捉えず、そこから何事かを吸収しようとしていたことを、ウェブ上にある本人の発言などを典拠に明らかにしてみたい。

 清水商業から筑波大、そしてベンゲルによって飛躍しつつあったグランパスに入団直後からスタメン、日本代表に選ばれるなど、望月のサッカー人生の序盤はエリートと言っていいものだった。一方、首脳陣との衝突から、名古屋をシーズン途中に解雇されて、各クラブを転々とし、最後は二部の横浜FCで数試合に出場して終わった後半生は、見る人によっては寂しいものと言えるものかもしれない。だが果たしてそうか。

 望月は才能を十分には生かせずに終わった、棒に振ったというような見方もあるだろう。しかし望月は、オシムに会って、その才能を少し隅においてまで試みる価値のある「違うサッカー」がある、ことを感じとっていた。

 以下は、Webサッカーマガジン「止める蹴るしゃべる」コーナーから。ジェフからベガルタにレンタルされてしばらくのインタビュー(2003/10/08up)。
http://www.soccer-m.ne.jp/field/t03_0944mochizuki.html
*元ページはすでに存在しないためインターネットアーカイブのデータを追記(https://web.archive.org/web/20070707062200/http://www.soccer-m.ne.jp/field/t03_0944mochizuki.html

「仙台来る時に、市原の監督に話をして、自分今、30歳で、まだまだこれからね、まだまだ向上したいし、上手くなりたいし、なんかアドバイスをくれたらってみたいな事を話しかけたら、オシムなんかは『ベテラン選手なんだから、まずミスの少ない選手になれ』っていう事を言ってたし、もちろんその言葉通りにね。あとはもう『シンプルにね、もう上手いことは分かってるんだから、今更上手いことしてアピールするんじゃなくて、とにかく簡単なね、普通のプレイを普通にこなせ』っていうような事を言われて、凄い今でもその言葉っていうのは常に思っているし、本当に良いアドバイスを貰ったというか、本当にミスの少ない選手にこれからなって行きたいですよね」

「影響はかなり受けましたね。自分のサッカー人生の中でね、こういうサッカーがあるんだっていうね、新しいサッカーをね。まあ口ではね、今までこうシンプルだとか、簡単にパス回せっていうことは、普通には言ってると思うんですけど、実際にやってみると、やっぱり変な所で持ってみたり、ドリブルが一つ多くなってみたりそういうことあるし。だから、すごい練習でもそういう事を徹底的にやる監督だしね、それが割と指導の中で自分に身に付いたっていうか」

「 やっぱり判断の早さだと思うし。持って考えるより、パス出して、自分が動いて、そうやって判断が早ければ、パスコースもいろいろ出てくるし、ボールが動けば人も動きますから、本当にスムーズにゲームが流れるっていうかね、まあ本当にシンプルなことなんですけどね」

「幅が広がったと思うし。その、やりたいサッカーっていうか、なんて言うのかな、今まで上手ければ良いだとか、(笑)その自分の中のせまいサッカーだったのがね、あの、ちょっと視野が広がったという感じがしましたね。サッカーの見方としてね」

 そこには傲慢な王様スタイルの10番はいない。才能に任せてそれを表現することがサッカーだという世界観を打ち砕いたオシムは素晴らしい。けれど30才にして打ち砕かれるだけの柔軟さを残していた望月もまた素晴らしいのではないか。
 望月はこのインタビュー時には、オシムの教えを受けて半年ほどでベガルタにレンタルされている。僅か半年でそれまでの望月を支えてきたようなサッカー観をひっくり返す程に感化したオシムの指導力と、変わることを受け入れた望月の強靭な精神には、共に感動を覚えないわけにはいかない。ピッチの上では、オシムは望月をあまり起用しなかったにもかかわらず、この変化は成し遂げられのだ。
 自分は下手だから一生懸命やるしかないとは言える。わたしみたいな凡人には耳に入りやすい言葉だ。しかし、天才が天才を投げうって、自分がまず走ること、味方にパスコースを作ってやるプレイに身を投じることにどれだけの決意がいるのかは、わたしには分からない。たぶん一生理解する権利を有しないだろう。

 このインタビューは。2003年のもので、代表しか見てないようなマスコミは、まだオシムなんて名前に何の反応もしないような頃。ひょっとしてまだ「黄金の○○」とか言っていたかもしれない時に、やはりクラシカルな天才肌だった望月は、そんな大はしゃぎとは無縁のところで、静かに、しかし明確な意識を持って自分自身のプレイを変えはじめていた。

 このあたりの望月の変化を察したのはやはりベガルタサポで、掲示板では前期サカマガの記事が出る前からプレイスタイルの変化をオシムの薫陶によるものではとする書き込みなどが出ていた。(http://www.geocities.co.jp/SweetHome-Brown/5517/log/mochi.html
 面白いのは、神戸の望月を見ていて、間のジェフは見ずに(出場時間が短いので、練習場までいかない限り見る機会はなかなか無いだろう)、ベガルタの望月を見て、そのプレイの違いぶりの契機としてジェフでの経験、オシムの指導が効いているのだろうと推測があること。
 考えてみると、この時にはオシムとてジェフを率いて半年ちょっとのことである。もちろんJのサポーターはそれぞれライバルのことを注視しているとはいえ、見ている人は見ているものだと思う。芳賀が札幌に移籍したときにも、そういう話が出たと思うが、試合に(あまり)出ていなかった選手にさえ、「オシム(ジェフ)の練習についてきたのだから」と他サポに評価してもらえたというのが、ジェフにとって大きな財産だった、とあらためて思う。
 また、望月は結果的に「オシムのサッカー」をジェフの外に持ち出そうとした最初の一人であることも改めて認識した方がよいかもしれない。

 そして、引退後の08年に刊行された望月の著書『もう一回蹴りたかった』を読む機会があった。冒頭がオシムのサッカーとの出会いであり、シーズン前の故障で試合になかなか出られなかった経緯と、にも関わらず充実した練習メニューやベンチから見るオシムの采配に選手として高揚していた姿が描かれる。しかしこの時にはすでに特発性大腿骨頭壊死症という難病の兆候があったのだ。ジェフとの契約が終わったのち、リハビリを続けながら横浜FCでの契約にこぎつけ、2試合途中出場で計20分ほどのプレイのために全力を傾けていくさまに、かつてのプレイを知るものは心を動かされずにはいられないだろう。
 サッカー人生の前半ではまさにエリートコースを歩んでおり、そのための努力も惜しまなかったが、それゆえに勝利者としての振る舞い方しか知らず、病気以来ベンチ外での経験を経るようになってから弱い者がどのような気持ちで練習を続け、チームを支えているか気づくようになる。それはトップ選手の履歴としては右肩下がりにすら見えるかもしれないが、それ以上に得たものも大きいはずだ。
 人間の価値は逆境でも量られる。リハビリの過程は、望月を学生時代から知るものにすら「途中で投げ出すのではないか」と思うほど困難なものだったようだが、そのような予想を跳ね返して望月は短い時間であれ再びプロのピッチに立った。

 望月は影響を受けた監督としてベンゲル、トルシエ、オシムの名前を挙げる。これらの名監督のもとでプレイ出来た経験はかけがえのないほど大きいものだろう。いまはSC相模原の代表という立場だけれど、現場の監督としてオシム達から受け取ったサッカーを選手たちに伝えていく姿も見たいといまでも思っているのだ。

(*以前別のところで書いた日記(http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=15648071&id=702177621)に『もう一回蹴りたかった』を読んでからの感想を追記して、若干書き直しました。)

もう一回蹴りたかった
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2015年02月25日

ジェフユナイテッド市原・千葉1-0モンテディオ山形(2015年2月22日 フクダ電子アリーナ)

 水野晃樹復帰に加えて、かつてちょこっと在籍していた鈴木隆行師匠も帰ってくるというジェフ、これは見に行かない手はないということでずいぶん久しぶりのフクアリです。シーズン前には例年ちばぎんカップで柏とやらせてもらって、勝ち負けとはまた別にシーズンの入り方も見ることが出来るありがたいイベントですが、今回はあちらさんがACLの日程で忙しいということで見送り。代わりというかモンテディオさんとの練習試合が公開という運びに。
喜作が来るというのでタッパー持参したもののすでに完売だったとかいう悲劇はありつつもフクアリに入場。山口慶の引退セレモニーには間に合いませんでした。それにしても「コーキ、オレ!」なんてやるの何年ぶりだよお。

 試合の入り方はこんな感じ。

      森本
 谷澤  水野 ペチュニク
   勇人 パウリーニョ
中村 大岩 キム 北爪
       岡

 右サイドが新規加入選手で構成されているのが目を引いて、前半はその右でどれくらいできるのか確認しようという意図もあったのか、右からSB北爪の攻め上がりが多く見られました。ただ上がってからどうするかというのはまだまだ未整理な感じで森本とサイドアタックの関係がいま一つ見えてこない感じも。北爪が下がった後半には中村の左サイドが上がり始め、精度においては中村の方が上。これは当然かな。新人の北爪はこのままリーグ戦でも起用されるなら、上がったところからどう連動するかこれから見せてくれればいい。

 水野は個人的にはまず右サイドで分かりやすいプレイさせてほしいというところだけれど、しかし北爪を公式戦でも起用するようなら、左右両サイドバックが上がるだろうし、そうなると一列前のサイドは直接仕掛けるタイプよりは上がりを促すことが上手い選手の方が使われやすいかもしれない。途中交代で、試合終了後の挨拶はやや表情が固かったようにも見えたがプレースキックを蹴る姿を久々に見ることが出来たのはうれしかったぞ。

 前半はディエゴをはじめとした山形の前線からのプレスにリズムを作れず、縦パスを受けた後も連動した流れにとぼしいジェフの展開だったけれど、後半に入って選手を変えつつ相手の運動量も落ちてきたところでスペースを使えるようになり森本のポストも少しづつ決まるようになっていくと。
 得点はジェフの攻撃を一度抑えた山形の自陣でのつなぎが怪しかったところをパウリーニョが詰めて、流れたボールにオナイウが反応してフリーになりゴールへ。この試合ミスの少なかった山形DF陣がこの瞬間だけ完全にオナイウを放してしまったのが響きました。

 この試合は師匠の出番はなし。とはいえ師匠本人である必要はないけど、師匠タイプのプレイが前線で必要になる時間帯はあるんではないかという印象。シーズン通して戦う場合、もう一枚くらいFWが必要ではないかなぁとも。勝利を決めたゴールはラッキーなもので、こういうのを決めることが重要だと思うと同時にこれだけで昇格に必要な分勝っていくのは難しいのは間違いなく、今後の課題かなとは思いますが、両サイドバックの攻撃力には期待できそうなので、今年はけっこう面白いんじゃないかな。

JLEAGUESOCCERKING 2015年 04 月号 [雑誌]
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